数値ウィジェットを強化し、期間に従った表示やトレンド表示ができるようになりました

こんにちは、MackerelチームCREの武藤( id:kmuto )です。昨日もアップデート内容をお送りしたばかりですが、本日もご報告したい大きなアップデートがありましたので、お知らせいたします。

今回のアップデートで新たに加わった機能は、はてなリモートインターンシップに参加した学生の皆さんに実装していただきました!

hatena.co.jp

数値ウィジェットを強化し、期間に従った表示やトレンド表示ができるようになりました

カスタムダッシュボードに配置できる数値ウィジェットに、次の3つの機能が加わりました。

  • 選択している期間に応じた値が表示されるようになりました
  • トレンドを表示できるようになりました
  • 数値ウィジェットからグラフの全画面表示を開けるようになりました

以下それぞれご紹介いたします。

選択している期間に応じた値が表示されるようになりました

数値ウィジェットは、任意のメトリックあるいは式の結果を見やすい数字としてカスタムダッシュボード上に配置でき、メトリックの値や、式を使って求めた可用性やレイテンシーといったSLIを示すのに便利です。

ただし、ダッシュボード上で期間を設定した際、グラフのほうはそれに応じて正しく追従されるのに対し、数値ウィジェットは期間と無関係に「その時点での最新の値」を示してしまうという制約がありました。

このたび、数値ウィジェットが期間の選択に応じて正しくその期間の値を表示するよう、機能改善を行いました。

グラフ側で期間を範囲選択すると数値ウィジェットの値も変化する
値が期間の選択に追従

ウィジェットには、選択期間での終点の値(移動平均や線形回帰の場合はこの終点をもとに算出)が表示されるようになります。

従来の数値ウィジェットの挙動から変わるため、現時点では以下のように数値ウィジェットの設定項目の「指定した期間に従って値を表示する」にチェックを付けたときのみ、この機能改善が有効化されます(以降でご紹介するほかの機能も、このチェックが必須です)。

ウィジェット編集画面の「指定した期間に従って値を表示する」を有効にする
「指定した期間に従って値を表示する」の有効化

トレンドを表示できるようになりました

前掲の画面でも登場していましたが、数値ウィジェットの設定項目の「メトリックのトレンドを表示する」にチェックを付けていると、ウィジェット内にトレンドもあわせて表示されます。

終点値90.50%に対して、平均値88.43、差2.06%がトレンドとして示される
トレンドの表示

トレンドは選択期間内の平均値(図中の「Avg 88.43」)と、その平均値と終点の値の差(図中の「+2.06%」)の2つで示されます。

数値だけでは現在の状況が何か変化しているのかしていないのかは判断しづらく、グラフと見比べて把握するというケースも多かったのではないでしょうか。このように変化量が一目で表されることで、状況の見極めの迅速化が期待されます。

数値ウィジェットからグラフの全画面表示を開けるようになりました

こちらは現状では式グラフのみの対応となりますが、ウィジェットの式の右側にボタンが配置されています。これをクリックするとブラウザの新規ウィンドウが開き、式グラフが大きく表示されます。

数値ウィジェットの値のもとになっている式グラフ
全体表示した式グラフ

たとえばSLOのような、式グラフをダッシュボード上に配置するまでもないけれども、必要なときに推移を見たいといった場面で便利でしょう。

MackerelチームのSREの願いに端を発したこの数値ウィジェット機能強化は、現時点では「experimental」とあるとおり実験的機能の位置付けですが、いずれも十分に実用可能な出来となっています。今後完成度を高めて将来は標準の挙動としていく予定ですので、ぜひお試しください!