Web・App・DBを俯瞰するダッシュボードを一瞬で作る「おまかせ生成」機能の紹介

この記事はMackerel Tech Day開催記念連載 4回目の記事です。

Mackerelアプリケーションエンジニアのid:rood_niです。今年9月にリリースされた新機能、「カスタムダッシュボードおまかせ生成」を紹介します。

強力だが難しいカスタムダッシュボード

Mackerelのカスタムダッシュボードは、グラフやMarkdownなどのウィジェットを自由に並べて画面を作ることができる機能です。

[カスタムダッシュボード

Mackerel開発チームも、SLI/SLOの確認や、システムのパフォーマンス状況の確認などの用途にカスタムダッシュボードを活用しています。 カスタムダッシュボードは運用次第で強力なツールになります。

しかし、その自由度の高さゆえに、カスタムダッシュボードをゼロから作るのは簡単ではありません。 どのグラフをどこに置くかというデザインの悩みがあり、またウィジェットを並べていく作業には一定の手間がかかります。

「カスタムダッシュボードおまかせ生成」はこの課題解決の一助となるべくリリースされた新機能です。

カスタムダッシュボードおまかせ生成とは:機能と使い方

ロードバランサ (Web)・アプリケーション (App)・データベース (DB) の三層からなるシステムを対象として、カスタムダッシュボードが簡単に作れるようになりました。

カスタムダッシュボードの作成時に「カスタムダッシュボードおまかせ生成」を選択します。

カスタムダッシュボードおまかせ生成を選択

Web・App・DBに該当するロールをそれぞれ選択します。一部のロールが未選択でも作成可能です。

Web・App・DBロールを選択

すると、ロールに属するホストを見てカスタムダッシュボードが自動生成されます。

生成されたダッシュボード

これはAWSインテグレーションのApplication Load Balancerから生成された画面です。 リクエスト数やリクエスト成功率などのウィジェットが自動的に並べられています。 通常のホスト詳細画面より一覧性に優れ、障害発生時に限らずシステムの状態を把握するのに役立つでしょう。

生成されたダッシュボードは編集可能なので、さらにほかのグラフウィジェットを追加したり、既存のウィジェットを変更したりすることも可能です。

「おまかせ生成」という名前の機能ですが生成系AIを利用するわけではなく、私たち開発チームが手作りで用意したテンプレートによってウィジェットの並びが定義されています。 おまかせ生成が対応しているメトリックプラグインAWSインテグレーションの一覧は カスタムダッシュボードを利用する - Mackerel ヘルプ をご覧ください。 なお、本記事の執筆時点では以下に対応しています:

Webロール Appロール DBロール
AWSインテグレーション - ELB (CLB)
AWSインテグレーション - ALB
AWSインテグレーション - NLB
AWSインテグレーション - Lambda
AWSインテグレーション - API Gateway
AWSインテグレーション - CloudFront
AWSインテグレーション - EC2
mackerel-plugin-accesslog
mackerel-plugin-apache2
mackerel-plugin-nginx
AWSインテグレーション - Lambda
AWSインテグレーション - EC2
mackerel-plugin-gostats
mackerel-plugin-jvm
mackerel-plugin-jmx-jolokia
AWSインテグレーション - RDS
AWSインテグレーション - EC2
mackerel-plugin-postgres
mackerel-plugin-mysql

続報にご期待ください:Web三層構造に該当しないシステムにも対応予定

おまかせ生成機能は今後、UIの改善や、Web・App・DBの三層構造に該当しないシステムへの対応を予定しています。

Mackerel開発チームは引き続き、おまかせ生成に限らずカスタムダッシュボード機能の拡充に取り組んでいきます。来たるオブザーバビリティの時代には、カスタムダッシュボードがより重要な役割を果たすようになるためです。

リリース10周年の節目に、Mackerelはオブザーバビリティに注力すると同時に、従来の監視機能の強化・改善も進めていきます。今後ともMackerelをよろしくお願いします。

10/22(木) モニタリング・オブザーバビリティの変遷とこれからの展望! - Mackerel Tech Day開催!

ゲストによる登壇のほか、モニタリングやオブザーバビリティに関する書籍の翻訳や執筆、登壇に携わっているパネリスト陣によるパネルディスカッションもあります! 皆さまのご来場、お待ちしております。