LambdaとECS Clusterのホストを自動退役できるようになりました ほか10件のアップデート

こんにちは!Mackerel チーム CRE の五十嵐(id:masarasi)です。今回のアップデート内容をお知らせいたします。

LambdaとECS Clusterのホストを自動退役できるようになりました

AWSインテグレーションにて、新たにLambdaとECS Clusterでもホストの自動退役ができるようになりました。ぜひご活用ください。

自動退役設定

ホスト一覧のクラウドインテグレーションによる絞り込みにおいてサービス名の表示を改善しました

ホスト一覧画面のクラウドインテグレーションによる絞り込みにおいて、複数の異なるサービスが同じ名前で表示されてしまうなどの状態になっていたため、サービス名の表示を以下の通り変更しました。

クラウドプラットフォーム 変更前 変更後
AWS Batch AWS Batch
Azure Database for MySQL Database for MySQL Flexible Server
Database for MySQL Single Server
Database for PostgreSQL Database for PostgreSQL Flexible Server
Database for PostgreSQL Single Server

クラウドインテグレーションによる絞り込み

メンバー招待時のメールアドレスにおいて大文字と小文字を区別しなくなりました

メンバーを招待する際、これまでは入力したメールアドレスの大文字小文字が、アカウントとして登録されたメールアドレスに完全一致しないと、招待メールのリンクからオーガニゼーションに参加できないという仕様になっていましたが、今回のアップデートにより、大文字や小文字が完全一致しなくても参加できるよう改善しました。

監視ルール一覧の検索結果が監視ルールの詳細画面を開いた後も保持されるようになりました

これまで、監視ルール一覧画面の上部にある検索ボックスで監視ルールを検索し、検索結果から監視ルールの詳細画面を開いた後にブラウザバックした際、検索結果がリセットされていましたが、もとの検索結果が表示されたままになるよう改善しました。

mackerel-plugin-squidの不具合を修正しました

mackerel-agent-plugins v0.54.0以降で、mackerel-plugin-squidのグラフが正常に表示されない不具合が発生していたため修正しました。

最新バージョン:mackerel-agent-plugins v0.88.3

なお、最新バージョンへのアップデートを行う場合、mackerel-agent-pluginsのご利用状況によって追加の手順が必要になります。

利用状況 追加手順
v0.54.0 以前から利用している 不要
v0.54.0 以前から利用していて、現在は v0.54.0 以上にアップデートして利用している 必要
はじめから v0.54.0 以上を利用している 必要

追加の手順が必要な場合には、アップデート後に以下の手順を行ってください。

  1. mackerel-agent.confのmackerel-plugin-squidの設定をコメントアウトし、mackerel-agentを再起動する。複数のホストにmackerel-plugin-squidが設定されている場合は、すべてのホストに対して行う。
  2. グラフ定義画面にて、squidという名前を含むグラフ定義を展開し、「このグラフを削除」をクリックしてグラフ定義を削除する。この手順をsquid という名前を含むグラフ定義が存在しなくなるまで繰り返す(ユーザー独自にsquidという名前を含むカスタムメトリックを投稿している場合、そちらについては削除不要です)。
  3. mackerel-agent.confのmackerel-plugin-squidの設定を元に戻し、mackerel-agentを再起動する。
  4. グラフ定義画面にて、以下のグラフ定義が表示されるか確認する。

正常な場合は、mackerel-plugin-squidによって以下の6つのグラフ定義が作成されます。

グラフ定義 グラフ名 メトリック名
custom.squid.cpu_usage_ratio.5min.* Squid CPU Usage Ratio (5min) CPU Usage Ratio
custom.squid.cache_storage_usage.* Squid Cache Storage Usage Memory capacity (used)
Swap capacity (used)
custom.squid.cache_hit_ratio.5min.* Squid Client Cache Hit Ratio (5min) Byte Ratio
Request Ratio
custom.squid.requests.* Squid Client Requests Requests
custom.squid.file_descriptor_usage.* Squid File descriptor usage Files queued for open
Store Disk files open
Reserved number of file descriptors
Available number of file descriptors
Number of file desc currently in use
Largest file desc currently in use
Maximum number of file descriptors
custom.squid.memory_account_for.* Squid Memory accounted for memPoolFree calls
memPoolAlloc calls
  • mackerel-agent-plugins v0.54.0以下をご利用の場合はcustom.squid.cache_hit_ratio.5min.*およびcustom.squid.requests.*のみとなります。最新バージョンにアップデートすることでほかのメトリックも投稿されるようになります
  • v0.54.0〜v0.88.2までをご利用の場合、上記のグラフ名の箇所が異なっていたり、メトリック名の箇所が%1になったりしているグラフ定義が作成されます。この状態でもグラフは表示されますが、mackerel-agentにエラーログが出力されたり、プラグインの意図した通りにグラフが表示されなかったりします。

APM機能に関する改善

トレース詳細画面にスパン数が表示されるようになりました

トレース一覧でトレースを選択した際に表示されるトレースの詳細画面に、そのトレースに含まれるスパンの合計数が表示されるようになりました。また、サービス名をマウスオーバーするとservice.namespaceの値がツールチップで表示されます。

トレース詳細画面

トレース詳細画面のUIを改善しました

  • スパン選択時に選択したスパンの色が変わるようになりました。
  • スパン属性の表示領域において部分的なスクロールが不要になりました。

選択中のスパン

トレースのフィルター条件の入力補完機能の挙動を改善しました

トレースのフィルター条件で属性やリソースの入力補完を行う際、正しく候補が表示されないことがあったため挙動を改善しました。また、何も文字を入力していなくても候補が表示されるようになりました。

HTTPサーバーおよびデータベースタブにおける集計方法の仕様を変更しました

APM画面のHTTPサーバータブの「ルート」およびデータベースタブの「クエリ」の集計に関して、2,048文字を超える内容を集計の対象外にしました。先頭から2,048文字が同じ内容のクエリは、2048文字以後の内容が異なっていたとしても同じクエリとして集計されますので、仕様としてご理解のほどお願いいたします。なお、この仕様変更は集計処理のパフォーマンス向上を目的としたものとなります。

systemdジャーナルログを監視できるcheck-systemd-journalをMackerel Labsで公開しました

近年のLInuxシステムではsystemdのジャーナルログが一般的となっていますが、check-logプラグインでは直接監視ができないため、rsyslogなどを利用して別途ログファイルとして書き出す必要がありました。check-systemd-journalは、ジャーナルログを直接監視することを可能にするプラグインです。ご利用の際は、公式のプラグイン集には同梱されていないため、リリースページからOS向けのパッケージをダウンロードしてインストールしてください。また、check-systemd-journalのご利用方法についてはREADMEをご参照ください。

なお、Mackerel Labsで公開されているソフトウェアは実験的なものであるため、サポートの対象外となります。お問い合わせをいただいても基本的には対応いたしかねますのであらかじめご理解のほどお願いいたします。

terraform-provider-mackerelのSDKをTerraform plugin frameworkに変更しました

terraform-provider-mackerelのSDKをTerraform plugin frameworkに基づく新しい実装をデフォルトとし、古い実装をオプトインとしました。環境変数 MACKEREL_LEGACY_SDK1 または true に設定することで、従来の実装を引き続き利用できます。

最新バージョン:terraform-provider-mackerel v0.6.0

【予告】mackerel-agent-pluginsにおいてAWSに関するプラグインの同梱を廃止します

現在、mackerel-agent-pluginsにはAWSに関するメトリックプラグインがいくつか同梱されていますが、近々、こちらの同梱を廃止する予定です。理由としては、これらのプラグインは基本的にAWSインテグレーションで代替可能となっており、MackerelチームとしてはAWSインテグレーションを利用した監視の体験を重視しているためです。

同梱されなくなる予定のプラグインは以下の通りです。mackerel-plugin-aws-ec2-ebsに関してはAWSインテグレーションによる代替が難しいため、引き続き同梱されます。

同梱の廃止後も個別のレポジトリからダウンロードして利用することは可能ですが、サポートの対象外となりますのでご理解のほどお願いいたします。

【予告】粒度が1日以上のメトリックをマウスオーバーした際は時刻が表示されなくなります

Mackerelのグラフは表示する期間に応じてメトリックの粒度が変化しますが、表示期間が3ヶ月あたりを境目に、グラフに表示されるメトリックの粒度が1日以上の間隔となります。その状態でグラフをマウスオーバーすると、現在は日付に加えて09:00という時刻が表示されますが、実態は09:00時点の値というわけではなく紛らわしい状態となっているため、この時刻を表示しないようにする予定です。

1日粒度のメトリック

【予告】AWSインテグレーションでのAWS WAF Classicのサポートを終了します

現在、AWSインテグレーションでは、AWS WAF ClassicおよびAWS WAFの監視を行うことができますが、AWS WAF Classicは、2024年9月ごろにAWSから2025年9月30日廃止のアナウンスがされています。

MackerelにおいてもAWS WAF Classicの廃止に対応するため、AWSインテグレーションでのAWS WAF Classicのサポートを終了する予定です。詳細な日程は決まり次第、お知らせいたしますが、AWSの廃止日である2025年9月30日より前に終了する可能性がございますので、あらかじめご了承ください。

なお、AWS WAF Classicのサポート終了後も、AWS WAFに関しましては引き続き監視を行うことができます。すでにAWS WAFへの移行を済まされた方もおられるかと思いますが、現在もAWS WAF Classicの監視を行っているユーザーのみなさまにおかれましては、AWS WAFへの移行をお願いいたします。

ご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【イベント】オブザーバビリティについて詳しく知れる各種イベントを開催!

7/30(水)12:00~@オンライン Hatena Engineer Seminar #34 オブザーバビリティの実現と運用編

テーマは、複雑化するITシステムの運用において今や不可欠となった「オブザーバビリティ」です。Mackerel開発チームのエンジニアやシステムプラットフォームチームのSREから、サービスの運用や迅速な問題解決を支えるオブザーバビリティを実現するための、実践的な知見をご紹介します。

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8/7(木)19:00〜@はてな東京オフィス 国産サービスで実践するオブザーバビリティ入門【オンライン配信あり】

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mackerelio.connpass.com